2023年1月14日
この日、小学生ぶりにVリーグを観戦した。
墨田区総合体育館の周囲に立つ選手ひとり一人のぼりに「はえ~すっご」と独り言なんかを呟きながらメインアリーナに向かったのを覚えている。
いまとなっては当たり前だし販売してくんないかな?と思ってるあのタペストリーなんかにもいちいち「アイドルなんか?」とか思ってた気がする。
配られるハリセンの選手紹介に笑ったし、運営からイジられすぎやない?と写真を撮って友人に送ったりもした。
「今年の漢字は?の質問にコロナの『コ』と答える天然炸裂系プレイヤー」って書いてある選手がまあまあ渋めのイケメンだったりで始まる前から軽くパニック起こすなどしていたら「選手入場は会場暗くなるで~」のようなアナウンスが流れて、これにも「???」となった。
よくよく会場見渡したらミラーボールとかあるし。いやここはクラブなんか?
(これも後に有明コロシアムで本気のデカ箱クラブ演出を目の当たりにしてこの日なんてお遊びみたいなものだったんだな、と認識を改めることになる)
みたいに最初は未知のものに対する「うわ!おもろ!」みたいな興味と、まあご近所ですし?みたいな気持ちで翌日のチケットを取りながら帰るなどした。
この時点では正直さほどの熱量はなかった気がする。
他にもたくさんスポーツはあるし、サッカーやバスケ、フットサル、ハンドボールも好きだし。
なによりバレーボールは好きだけど、わたしにとっては挫折の象徴だし、人生の中で諦めてしまったものの最たるなので苦々しい思い出もまだまだ好きの感情より全然大きかった。
過去の自分を慰める意味でもまたバレーボールを好きになれたらいいな。
なんて、思っていたはずなのに気が付いたらシーズン最終戦は大阪にいた。なんで?
なんならA3バカデカボード掲げてどうか、どうか、と、祈りながらコートを見つめていた。
きっかけがなんだったかは定かではないけれど、いまわたしは東京グレートベアーズというチームが大好きだし、これからもっと大好きになるという確信もあって、現実を生きていられる。
選手のみなさんが「応援のおかげで」「ファンの声援のおかげで」と話すたびになんだか泣きたいような叫び出したいような気持ちになる。
「応援を力に変えて」って人は簡単に言うけれどそんなに単純なものじゃないし、自分があのコートに立っていたときには応援団の声援を疎ましく思ったこともあるし。
FC東京からいまのチームになった経緯もリアルタイムでは知らないし、選手やファンの苦しみも悲しみも文字でしか知らないけれど、それでもきっとプロになるっていうのはこういうことなんだろうかと思う。
2022-23 クラブにとってのファーストシーズン。
わたしは1/14から始まって15試合しか観られなかったけれど、それでも大いに泣いて大いに笑った2ヶ月半だったし、コロナ禍で制限、抑制されたここ数年の中で一番濃厚な時間だったと思う。
彼らはプロなので本当に来シーズンもこのクラブにいるのかわからないし、そもそも現役を続行するかも、なにもわからない。
けれど、だからこそ輝くんだと思う。
一瞬一瞬を胸に刻んでおきたくて、ぜんぶの笑顔を覚えておきたくて。
あのコートを去ることになる最後の瞬間まで大きな声援を浴びていてほしいと願う。
だからサヨナラのそのときまで、たくさんのありがとうと、いっぱいの大好きをキミに伝えられますように。
それが、まだまだ遠い未来であることを祈りながら。